ゴミ屋敷になる人の割合を正確に把握することは難しいですが、ゴミ屋敷になりやすい人の特徴を理解することで、そのリスクを推測することができます。この記事では、ゴミ屋敷になりやすい人の特徴と、それぞれの特徴を持つ人の割合について、いくつかの調査や研究を基に解説します。まず、ゴミ屋敷になりやすい人の特徴として、精神的な問題を抱えている人が挙げられます。うつ病、統合失調症、強迫性障害などの精神疾患は、意欲の低下や判断力の低下を招き、片付けを困難にすることがあります。これらの精神疾患の有病率は、調査によって異なりますが、数%から十数%程度と推計されています。次に、認知症の高齢者も、ゴミ屋敷になりやすい傾向があります。認知症になると、記憶力や判断力が低下し、ゴミの分別や処理ができなくなることがあります。65歳以上の高齢者のうち、認知症の人の割合は、約15%と推計されています。また、ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性を持つ人も、ゴミ屋敷になりやすいと考えられています。ADHDの特性である、衝動性、不注意、多動性などは、片付けを困難にし、物を溜め込みやすくする傾向があります。ADHDの有病率は、約5%と推計されています。さらに、セルフネグレクト(自己放任)の状態にある人も、ゴミ屋敷になりやすいです。セルフネグレクトとは、自分の健康や生活環境に関心がなくなり、身の回りの世話をしなくなる状態を指します。セルフネグレクトになる原因はさまざまですが、高齢者の孤独死やゴミ屋敷問題との関連が指摘されています。これらの特徴を持つ人の割合を単純に合計することはできませんが、ゴミ屋敷になるリスクが高い人が、一定数存在することは確かです。ゴミ屋敷は、個人の性格や能力の問題だけでなく、さまざまな要因が複合的に絡み合って起こる問題です。