近所のゴミ屋敷問題に悩み、最後の頼みの綱として市役所などの行政に相談しようと思っても、「本当に動いてくれるのだろうか」「相談したことが相手に知られて、逆恨みされないだろうか」といった不安から、二の足を踏んでしまう方は少なくありません。しかし、行政は法律に基づいて問題解決にあたる、最も強力なパートナーとなり得ます。相談後、どのような流れで物事が進んでいくのかを知っておくことで、安心して一歩を踏み出すことができるでしょう。まず、あなたが役所の担当課(環境課、福祉課など)に相談すると、行政は「空家等対策特別措置法」などの法律に基づき、対応を開始します。第一のステップは「現地調査」です。職員が実際に現場を訪れ、ゴミ屋敷の状態が、近隣の生活環境に深刻な影響を及ぼしているかどうかを客観的に確認します。この際、相談者の個人情報が相手に伝わることは原則としてありません。次に、登記簿などでその家の「所有者を特定」します。所有者が判明すると、行政は所有者に対して、文書や電話で連絡を取り、状況を改善するよう「助言・指導」を行います。実は、多くのケースでは、この行政からの連絡という「公的な介入」があった時点で、所有者が事態の深刻さを認識し、自ら片付けに着手するなど、問題が改善に向かいます。しかし、度重なる指導にもかかわらず状況が改善されない場合、行政はより強い措置を取ります。それが「勧告」です。この勧告が出されると、土地にかかる固定資産税の優遇措置が解除され、税額が最大で六倍になるという重いペナルティが課されます。それでも従わない場合は「命令」が下り、最終手段として、行政が所有者に代わって強制的にゴミを撤去し、その費用を全額所有者に請求する「行政代執行」が行われるのです。行政の対応は、法的な手続きを踏むため時間はかかりますが、着実に問題解決へと進んでいきます。諦めずに相談し、行政と連携していくことが、解決への確かな道筋です。
市役所に相談したらどうなる?ゴミ屋敷問題の行政対応フロー