数年前まで、私の部屋はゴミ屋敷でした。そして、私の給料は、ずっと手取りで20万円台をうろうろしていました。今思えば、部屋の状態と私の仕事ぶり、そして給料は、すべてが繋がっていたのだと思います。当時の私は、典型的なダメ社員でした。毎朝、ゴミの山の中から着ていく服を探し出すのに時間がかかり、いつもギリギリに出社。デスクの上も書類で山積みで、必要なものがすぐに見つからない。仕事の効率は最悪で、残業ばかりしているのに成果は上がらず、上司からはいつも呆れられていました。そんな自分に嫌気がさし、自己肯定感は地の底。給料が上がらないのも当然だと、半ば諦めていました。転機は、あまりにも部屋が汚すぎて、エアコンの修理業者に作業を断られたことでした。社会から拒絶されたような衝撃を受け、私はようやく「このままではいけない」と決意したのです。週末、私は泣きながらゴミの分別を始めました。最初は絶望的な量に思えましたが、一つのエリアが片付くたびに、心に小さな達成感が灯りました。部屋が綺麗になるにつれて、不思議なことが起こり始めました。まず、朝の準備が格段に早くなり、余裕を持って出社できるようになったのです。頭の中もすっきりと整理され、仕事の段取りがスムーズになりました。デスクの上も綺麗に保つようになり、ミスが劇的に減りました。何より大きかったのは、自己肯定感の変化です。「自分はゴミ屋敷を片付けられたんだ」という自信が、仕事への向き合い方を前向きに変えてくれたのです。積極的に意見を言うようになり、新しい企画にも挑戦しました。そんな私の変化を、上司は見逃しませんでした。徐々に重要な仕事を任されるようになり、一年後、私はプロジェクトリーダーへの昇進と、それに伴う昇給を勝ち取ることができました。部屋を片付けたからといって、魔法のようにお金が湧いてくるわけではありません。しかし、住環境を整えることは、自分の心を整え、行動を変えるきっかけになる。その行動の変化が、結果として仕事の評価、そして給料に繋がるのだと、私は身をもって体験したのです。